葬祭業者も生前予約を導入
自分らしい(故人らしい)お葬式がしたいという人が増えるに伴って、亡くなる前から葬儀の事前相談を受ける葬祭業者が多くなりました。
さらにそうした相談とセットで、独自の「生前予約システム」をもつ業者も出てきました。
予約の内容は葬祭業者によりさまざまですが、多くは会員制で、入会金1万円程度を払って会員になると、生前に自分の望む葬儀の相談・予約ができます。
また、費用の割引など特典がつくこともあります。
いわゆる「生前契約」といわれるものよりは、葬儀内容や費用などの拘束が緩やかで、申し込み者への拘束力が弱い分、葬祭業者に対する拘束力も弱いというデメリットがあります。
心に残る家族葬は生前予約に対応
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臨機応変のメリットが
ちなみに、「生前契約」は、「生前予約」より、もう少し踏み込んだ内容のシステムで、次の3条件を満たしたものをいいます。
①. 葬儀の内容を詳細に決める
②. ①を実施するにあたっての費用の支払い方を明確に定める
③. ①と②の内容を記述して生前に契約書を取り結ぶ
これに対して、葬祭業者の生前予約は比較的内容がアバウトで拘束力が弱い反面、融通がきくというメリットもあります。
一般に生前予約というのは、本人と家族の合意のうえでの申し込みが望ましい形です。
しかし、家族が同意して予約した場合でさえ、長い間には事情が変わり、いざそのときになると、遺志どおりにお葬式が実行できないことがいくらでもあるのです。
亡くなった人より、生きている人の事情を優先せざるを得ないことが多く、あまりにこまかいところまで公正証書などで契約していると、遺族と契約団体の間で、トラブルになりかねません。
ある程度、融通がきくようにしておくことで、家族と業者が歩み寄り、円満にお葬式を遂行できる面もあるのです。
生前予約(契約)の問題点
ただ、生前予約にしても生前契約にしても、問題点は現在のところ、これを特定して保護する法律がないことです。
生前予約(契約)して、お金も預け、契約書を取り交わしても、それはあくまで本人と葬祭業者や法人(団体)との個人的約束で、たとえば万が一にも、葬祭業者や法人(団体)が破綻したような場合、その予約(契約)は実行されなくなります。
そうした場合に、国の保障(守ってくれる法律)が何もないのが最大の問題です。
消費者トラブルから消費者を守る法律である「消費者基本法」も、こうした予約には効力はありません。
ですから、しっかりと情報収集して、信頼できる相手を選ぶことが大切です。
法律の整備が今後の課題
葬儀を予約する側は、法律的にも、預けたお金が保護され、契約が確実に施行される保障がほしいのはいうまでもないこと。
1日も早く、生前予約(契約)に関して、国が保障するルール(法律)を整備することが、今後の課題ということになります。
全葬連などが、いま、生前予約(契約)に関する消費者保護のルールづくりの準備を始めているところです。
だれに契約実行の確認を頼むか
①家族=家族が共同で契約すれば、家族が証人となれる。
②他人=家族がいない、あるいは同意を得られない場合は、信頼できる人を祭祀主宰者に指定して、証人になってもらう。
③法人=「りすシステム」などでは、契約実行をチェックする第三者機構がある。
これらの証人により、葬儀が契約どおり行われたことを確認できたら、契約金が支払われる形のものが安心です。
生前契約の破綻例
大阪で、生前契約を行う市民団体が、経営悪化のため破綻。
この団体は、契約を結んだ時点で契約金を支払うシステムでした。
結局、この生前契約は、実行されないことに。
契約金前払いシステムの危うさを示す事例です。